伊豆半島の中央部分を通る国道414号線。浄蓮の滝河津七滝ループ橋の間にある天城峠は、国道上に新天城トンネルが通っているため、わざわざ旧道を使う必要もないのですが、あえて旧道を使うことで、巡り合うことができる風情ある旧天城トンネル。

旧天城トンネルは、現存する石造トンネルでは国内最長の445.5m。川端康成の不朽の名作「伊豆の踊子」の舞台となったことでも知られています。
旧天城トンネル(天城山隧道)南側

旧天城トンネル(天城山隧道)南側【撮影日:2012年9月17日】

入口アーチやトンネル壁面は全て切り石で組まれた旧天城トンネル(天城山隧道)。

旧天城トンネル(天城山隧道)のトンネル照明はガス灯を模したデザインのナトリウムランプ

旧天城トンネル(天城山隧道)のトンネル照明【撮影日:2012年9月17日】

トンネル内部の照明は、ガス灯を模したデザインのナトリウムランプがぽつぽつと点在。

旧天城トンネル(天城山隧道)のトンネル内部

旧天城トンネル(天城山隧道)のトンネル内部【撮影日:2012年9月17日】

トンネルを実際に走ってみると、想像以上に長く感じました。トンネル内は一本道で離合スペースはありません。トンネルの有効幅は3.5mなので、5ナンバーサイズ以下の車通しなら、ドアミラーを畳めば数字上はギリギリで擦れ違えそうですが、対向車がどの車種なのかは接近するまでは見極められないため、基本的には擦れ違い不可と考えて走行するべきです。対向車が来ないタイミングを見計らわなければ、一方がロングバックを強いられるので、トンネル反対側からの車のライトや走行音で判断して進入する必要があります。

旧天城トンネル(天城山隧道)への道のりは、北側からだと伊豆縦貫自動車道の修善寺インターチェンジから車で30分、浄蓮の滝からは10分ほど。南側からだと河津七滝ループ橋から15分ほど。南北どちらの方向からでも、新天城トンネルの手前で脇道に入る必要があります。特に南側の旧道進入口は鋭角になっているので見落とさないようにしなければいけません。また、旧天城トンネル(天城山隧道)の前後区間は、ダート(未舗装)です。ところどころ穴ぼこが出来ている箇所もあるため、特に車高の低い車の走行は注意が必要です。